牛車で往く

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ブックオフで古本を探す喜びと後ろめたさ、消費者としてのジレンマ

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お金がない大学生のころはブックオフに大変お世話になった。古本を買うことでお金を節約しながら、楽しい読書生活を送ることができた。そして、社会人となった今、新品で本を買うのに必要なお金はもう十分に持っているのに、なんやかんやでブックオフに行ってしまう。大学生のころに培った貧乏性がまだまだ根強くわたしを支配している。

 

ブックオフの何がいいって、安いだけではないところなのだよ。例えば、欲しい本があったとする。ジュンク堂などの大型書店ではホームページで在庫を検索することができるため、欲しい本が置いてある店舗へピンポイントで買いに行くことができる。一方、ブックオフには在庫検索がない。この点が不便なことと思いきや、わたしにとっては在庫検索できないからこそブックオフで買いたくなるのだ。欲しい本があると分かっていて、そのお店に行ってすぐに手に入れるのは、なんだか興が冷める。しかし、ブックオフでは欲しい本が売られているか売られていないかが分からない。だから、買いに行っても無駄足になる可能性がある。けれども、欲しい本があったときの、あの出会えた感。『あるやん!』という喜び。これは新品の本を買いに行ったのでは、味わえないものなのだ。古本を買いに行って出会えたとき、新品で買う以上の喜びがわたしの胸を満たす。だから、ブックオフでは必死に探してしまう。お店に入った時点で、『まだ見ぬわたしが求めし本よ、そなたはこの店舗にいるのであろうか』というワクワク感がある。エンテイ、ライコウ、スイクンを追いかけてるときに近い感情。ポケモン銀バージョンでは一回も遭遇せんかったけど。そして、たまにブックオフをはしごしてしまう。この店にはなかったけど、あっちの店にはあるかもなあと思って、一日に何店舗か回ってしまう。交通費で新品買えるんちゃうかってときもある。本末転倒。あとは、ブックオフを熟成、寝かせるときもある。最近あの店行ったから、今日行ってもまだラインナップ変わってないやろな、あっちは全然行ってないから新しい本が見つかるかもしれん、などと思いながら。

 

ただ、ブックオフの店員さんには色々思うことがある。サンドウィッチマンのネタにあるように「いらっしゃいませ」の誘爆は確かにうるさい。なんやあの連鎖反応。そして、わたしが棚を見て本を探しているにも関わらず、割と強引に間に入ってきて本の整理を始める。いや、今探してるやん。身体入れてくんなよ。フィジカル長友か。そして、結構無理やりに本を棚に詰め込む。いやね、安い値段で古本を買ってる身分で偉そうなこと言えんけど、もうちょっと丁寧に扱ってよ。本の背表紙の角とか折れんように気を付けてよ。そこ折れてたら気になるんよ。

 

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この部分

 

さらにCDの棚も中々に整理できていない。アーティスト名とアルバム名はごちゃごちゃになっているし、英語表記の邦楽アーティストが洋楽の棚に分類されていることも多々ある。Jポップのところに落語が置いてあるときもあるしね。まあでもこの点に関しては、だからこそ逆に欲しいCDが該当する棚になかったとしても、他の場所にあるんじゃないかとワクワクしながら探すことができるということもあるが。探し甲斐がありますわ。なんなら棚の分類、整理がしたくなってくる。わたしがブックオフの店員になれば、棚の分類の即戦力になれる自信が割とある。

 

ブックオフの不満点をいくつか並べたけれども、ただやっぱり、ブックオフはお店に入りやすいっていうのがある。町にある古本屋に入るときは、少し緊張する。町の古本屋の店主は本好きであろうから、なんか試されてる気がして少し気が引けるのだ。そして、お店も狭いから本を探している様子が見られている気がするし。その点ブックオフは、店員がそれほど本を大事に扱っている感じはないし(大事にしている店員さんももちろんいらっしゃると思います。失礼な発言でしたらすみません)、チェーン店だから気軽に本を見れるのだ。なんなら自分は、ご飯を食べるときの店選びもチェーン店派な気質である。チェーン店はどこの店舗に行っても、サービスの質がだいたいこれぐらいであろうと予測できるから安心するのだ。だから、なんやかんや言ったけれどもいつもお世話になっております、ブックオフさん。今後ともお付き合いをよろしくお願いします。

 

あと、ブックオフとハードオフって全くの別物なんだね。デザインが似てるから、大元の運営会社は一緒だと思い込んでいた。まあまあの衝撃。

 

とはいえ、本の電子書籍化やフリマアプリの台頭によってブックオフの経営は難しくなっているようだ。

 

biz-journal.jp

 

www.kawahanashobo.com

 

まあ、そもそも古本に関しては賛否両論の声がある。作家からしてみれば、自分の書いた本が古本として転売を繰り返され、自分の手元にはお金が入ってこないといった問題がある。しかし一方で、古本屋という土壌があるおかげで、お金のない人でも本を読む喜びを享受することができる。そして、こういう問題が取り上げる際には、お金を払って読むほどの価値のある本が果たしてどれだけ存在しているのかといった、辛辣な意見が挙げられることもある。でも、やっぱり消費者サイドからすれば、そりゃ安く手に入るほうに行ってしまうことは仕方がないことでもある。そして今の時代、人気作家の本は発売されて少し経てば、ブックオフで新品を買うよりも安く手に入ってしまうのである。こうなってしまえばもう、新品の本を買うということが、"あえて"新品を買うことで作家に貢献するといったふうに、なにか倒錯した行為のように感じてしまうこともある。

 

 

多少、お金を稼げるようになった今、作家さんに恩返しの意味も込めて新品の本を買いたいと思う。しかし、貧乏性が抜けきっていないというのも事実・・・。古本を買うことで、回り回って消費者である自分の首を絞めているような気がしないでもないが・・・。