牛車で往く

日記や漫画・音楽などについて書いていきます 電車に乗ってるときなどの暇つぶしにでも読んでください

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夜の松屋からの古本屋で漫画立ち読みのコース

この前、友人と買い物に行った帰り、晩ごはんを食べに行きつけの松屋に行った。行きつけの松屋って表現、なんだか変な感じやけども。私、松屋が大変好きでございまして、その日はブラウンソースハンバーグ定食を食べようと心に誓い、店へと足を運びました。夜の9時を回ったころに松屋に着いたのだが、店内にはなかなかお客さんが入っていた。珍しいなと思いながらも席に着き、店内の様子を眺めてみると、ある音楽フェスのTシャツを着ている人が多いことに気が付いた。なるほど、フェス帰りの人たちが松屋に晩ごはんを食べに来ているんだな。そして、そこでは同じフェスのシャツを着たそれぞれ別のグループ間で謎の一体感が生まれており、互いに会釈などをしていた。『あなた方もフェス帰りで松屋ですか』、『今日のあのバンドの演奏、最高でしたよね』なんていう心の会話が聞こえてきそうであった。自分はそもそもフェスに行ってはしゃげるような性分でもないし、仮にフェスに行ったとしても見ず知らずの人たちと急に仲良くなれる気なんて全くしない。なんなら心の中に聖なるバリアミラーフォースを張ってしまうタチだ。だから、そんな同じフェスに行ったという一体感によってすぐに仲良くなれる人たちのことをすごいなあと思う。

 

なんてことを考えていたのだけれど、まあ混んでるからブラウンソースハンバーグ定食がなかなか来ない。いつもの松屋なら速攻で来るのに。そして、ようやく定食が来て、いざ食べようと思ったときに、あることに気が付いた。サラダが付いていない・・・。『あれっ、ブラウンソースハンバーグ定食ってサラダ付いてなかったっけ? 定食って全部サラダ付いてたよな。あ~、でも自信ないしなあ。それになんか今忙しそうやしなあ』なんてことを考えて、結局サラダが付いていないことは伝えずにそのまま食べてしまった。そして、お店を後にして外に出てからHPでメニューを調べてみると、やっぱり定食にはサラダが付いているのが普通であった。

 

自分はこういったイレギュラーなことが起こったときに、スッと行動ができずに固まってしまうところがある。頭の中では色んなことを考えているのだが、いかんせん体のほうが動かない。とにかく自分が正しいという自信がもてないのだ。店員にサラダが付いていないことを伝えた場合に、もしサラダが付いていないほうが正解であり自分の認識が誤っていたらと思うとビビッてしまうのだ。そうなるぐらいなら、よく分からんけどこのまま食べようと思ってしまうのだ。そして、この私がよく行く松屋の店員さんが結構な頻度でミスをする。おそらく中国人の店員さんであるのだが、なかなかに日本語がたどたどしい。そして、本人もその自覚があるようで、非常に声が小さくビクビクしながら接客をしている。今回のサラダのつけ忘れも恐らく彼によるものであろう。その日のキッチンの様子をチラッと見ていると、盛り付けをしていたのは中国人の彼であったからだ。さらに、以前にも彼に定食のご飯大盛の食券を渡したにも関わらず、普通盛りのご飯を出されたことがあった。そのときも私は『あれ、なんかご飯大盛の割に少なくない? ていうか大盛のときって器のデザインが違うかった気がすんねんけど、これ隣の並盛のおっちゃんとおんなじデザインやな。間違ってんのかな? え、どうしよ・・・』と悩んでしまった。スッと言えばいいのに、自分。「これって大盛ですか?」って聞くだけやんって、今振り返れば思う。私はそのとき、結構な時間悩んだ末に、大盛かどうかを中国人の彼ではない店員さんに聞いて、やっぱり大盛ではなかったようで取り換えてもらったのだった。

 

ただですね、やっぱり異国に来て言葉もおぼつかないのにそこで生活をして、なんなら働いてお金を稼ぐなんてことは、すごいことだなと思うわけですよ。自分なら絶対にしないなと。中国人の彼がどんな理由で日本に来ているのかは知らないけれど、その勇気が凄いなと思うわけですよ。かといって私も注文ミスをスッと指摘できる性格じゃないので、彼と私の組み合わせは最悪だなと。私にとって。でも松屋が好きだから行ってしまう。自分が変わろう。

 

そんな松屋での出来事がきっかけとして、大学生のころ、親が家を空けて自分で晩ごはんを用意しなければいけないときに、よく松屋に行っていたことを思い出した。夜の9時ぐらいに歩いて松屋に向かい、晩ごはんを食べた後に松屋の近くの古本屋で漫画を立ち読みするのがたまらなく楽しかった。なんなんだろう、あの夜の古本屋での漫画立ち読みの楽しさは。ひたすらスラムダンクから幽遊白書、ハチワンダイバーにバガボンドなどを読んだ。買えよってぐらい読んでいた。でもあのころはお金がなかったからしょうがない。そして当時、そんな古本屋からの帰りによく聴いていたのがHomecomingsのこのアルバムだ。

 

Somehow, Somewhere

Somehow, Somewhere

 

 

このアルバム、本当に全曲いいんだよなあ。当時はこのアルバムに収録されている楽曲のPVなどもYouTubeでめちゃくちゃ見ていた。

 


Homecomings "LEMON SOUNDS"(Official Music Video)

 

このアルバムを聴きながら帰る夜道は、なんだか涼しくて楽しかった。私は特にアルバムの最後に収録されている「Ghost World」がお気に入りであった。

 

 

友だちを誘って晩ごはんを食べるという手もあったであろう。でも当時の私にとっては松屋に行って、古本屋で漫画を読んで、Homecomingsの「Somehow, Somewhere」を聴きながら帰るといった、そんな時間がたまらなく楽しかったのだ。至福の時間であったのだ。なんやったんやろう、あのときのあの感じは。そんなことを思い出して、ブラウンソースハンバーグ定食にサラダを付け忘れられた帰りに、このアルバムを聴きながら帰ったのだけれど、相も変わらず最高であった。多分このアルバムはずっと聴き続けるんだろうな。そして、その度に松屋に行ってから古本屋で漫画を読んでいた夜のことを思い出すのだろう。