牛車で往く

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漂白剤が効くのにも、遠くの山が白いのにも、夕日が赤いのにも理由がある

この三連休、どこかに遊びに行きたかったけれど、コロナウイルスの影響でそれも憚られた。なんだか持て余した時間。そこで思い出したのは、最近ハンカチが臭いということだ。手を洗ったあとにハンカチで手を拭くと、一日の最初の方は良いのだが、3、4回目からめちゃくちゃ臭くなってくる。これまではそんなことはなかったのに、最近はめちゃくちゃ臭い。手を洗って石鹸のいい匂いになったのに、ハンカチで手を拭くとめちゃくちゃ臭くなっている。手を洗った意味よ。じゃあ、この休みはハンカチたちをどうにかして綺麗にして過ごそうとコンセプトを立てた。とりあえず「ハンカチ 臭い」で検索すると、臭いの原因は、洗濯では落ちきらない皮脂についた雑菌であることが分かった。まあそうやろなと。そして、臭くなったハンカチには酸素系の漂白剤がいいと分かった。早速買いに行こうということで薬局へと向かう。しかし、まあハンカチを洗うだけでは三連休どころか一日もつぶれないので、なにか本を買おうと本屋にも寄った。というか漂白剤なんかよりも本のほうがほしい。薬局も本屋も入っている近くのショッピングモールまで向かう。コロナでできる限り家に居ようと言いつつも外に出ることになったが、これは別に遊びに行くわけじゃないし一歩も外に出ないなんて不可能だししょうがないと、誰に言い訳するでもなくドアを開けた。外に出るとめちゃくちゃ天気がいいし、あったかい。気分がよくなり、音楽を聴きながら二駅分ぐらい歩いた。VIDEOTAPEMUSICの「ON THE AIR」がいい。

 

ON THE AIR

ON THE AIR

  • アーティスト:VIDEOTAPEMUSIC
  • 発売日: 2017/10/25
  • メディア: CD
 

 

特に「Ushihama」がお気に入り。

 

 

ショッピングモールに到着し、まずは本屋に行く。これといって欲しいと思っている本はないので、なにか適当に見つけて買おうと色々探す。結局、軽くさっと読めそうなこの本を買った。

 

 

翻訳家の柴田元幸が翻訳に関して考えていることを100個述べているといった内容。翻訳がはかどっているときが、最も生きていると感じるときと書かれていた部分が印象に残った。

 

(中略)べつに「俺はいま生きているなあ」と頭の中で言語化しているわけではないが、その瞬間を「最も生きていると感じるとき」と呼ぶのが自分にとっては間違いなく一番しっくりくる。

 

柴田さんの言いたいことが分かる気がする。これはある意味ゾーンに入っているみたいなものではないか。自分も運動をしていて、なんだかやたらと調子がいい日がこれまでの人生で何度かあった。テニスをしていてどんな球が来ても簡単に、しかも完璧に打ち返せる日が。いままで打っているときの感覚とは違って、いい球が打ち返せるときって親指の付け根のところに感覚が残るんだってことに気が付いた(これはわたしの個人的な感覚だとは思う。)。その打っている瞬間って、べつに「俺はいま生きているなあ」と思っているわけではないのだが、えげつないほどの手ごたえを感じているのだ。生きているというのが正しいのかは分からないが、完全に何かをつかんだ最高の状態。その瞬間を振り返ったときに、わずかに手元に残っている全能感。確かにその瞬間が「最も生きていると感じるとき」だったのかもしれない。

 

本を買った後に薬局に行く。とりあえずマスク売り場を見てみたが、未だにすっからかんの状態だ。洗濯物コーナーで酸素系漂白剤を見つけたが、ここで問題が発生した。同じ「ワイドハイター EXパワー」であるのに、液体タイプと粉末タイプの2種類がある。

 

www.kao.com

 

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どっちを買えばいいんだ・・・。その場でスマホで調べると、液体タイプは成分が過酸化水素の酸性のものであり、粉末タイプは成分が過炭酸ナトリウムのアルカリ性のもののようだ。そして調べた結果、より効果が強いのは粉末タイプの方とのこと。粉末タイプの過炭酸ナトリウムは、過酸化水素と炭酸ナトリウムの付加化合物であることがポイント。過酸化水素はそれ自体が不安定であるため、単体でも分解して漂白効果を示すヒドロキシラジカルを生成するのだが、この分解はアルカリ性の条件(pH=11程度)で最も速くなる。過酸化水素のみでは弱酸性を示すのだが、過酸化水素と炭酸ナトリウムの付加化合物である過炭酸ナトリウムを用いると、水に溶けた過炭酸ナトリウムが過酸化水素と炭酸ナトリウムに解離し、水溶液が炭酸ナトリウムによるアルカリ性を示すようになるため、過酸化水素の分解が促進され、より効果が大きくなるのだ。さらにはこの過酸化水素の分解は高温条件でも促進される。ということで、長々と書きましたが効果の高い粉末タイプを購入しました。

 

お目当てのものを手に入れたということで、家に帰る。帰りは電車に乗ったのだが、駅で電車を待っている間にホームから見えた山の景色が気になった。手前の山に比べて、奥の山のほうが白んでいる。

 

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まるでレイヤーがかけられているようだ。これは遠くの山からの光のほうが、近くの山からの光よりもわたしの目に届くまでに空気中を通る距離が長いために、ぶつかる空気中の酸素や窒素分子の数が多くなり、より散乱されて白く(正確には空と同じで青く?)見えるのだろう。これは空が青く見える原理と同じと考えられ、遠くの山ほど空の色に近づいていく。そうすると、小学生のころに夏休みの自由研究で夕日を再現したことを思い出した。石鹸水を入れたペットボトルを何本か並べて、そこに懐中電灯の光を当てて反対側からのぞくと、光が赤色に見えるといったものだ。夕方は、太陽の光が昼間よりも大気中を通過する距離が長いために、昼間は届いていた赤色の波長以外の光が、わたしたちの目に届く前には空気中の酸素や窒素分子に散乱されつくしてしまい、赤色の波長の光のみがわたしたちの目に届いて空が赤く見える。つまり、石鹸水は空気中のちりを再現したものであり、懐中電灯の光を何本ものペットボトルに通過させることで、夕方の太陽光がわたしたちの目に伝わるまでの距離を再現していたのだ(こちらはレイリー散乱ではなくミー散乱であるから、厳密には夕日とは違う?)。

 

www.fujitsu.com

 

酸性、塩基性の漂白剤の効果の違いや、遠くの山が白く見える、夕日が赤く見えること全てに理由がある。こんなことをいちいち知っていなくても生きていけるけれど、ちゃんと知っているほうがいいのではないかと思う。それは、わたしも含めた世間がコロナウイルスに関する情報が正しいのか、間違っているのかとアタフタしているのを眺めて感じたことでもあるのだが。あまりにも簡単に過程をすっ飛ばして答えが手に入ると思っている人が多すぎるのではないか。多分、それは世の中の情報伝達のスピードがどんどん早くなっていることも少なからず影響していると思う。今じゃあ、何事も分かりやすく伝えることが正義だ。結論を先に伝えるのは、答えを先に知ることでそのあとに続く詳細を流れを予想しながら聞きやすくなるためであるのに、答えを知るだけで満足するようになってしまっている。だから、簡単なウソにすぐに騙されてしまうことにもなる。自分の頭で考えるのってめんどくさいけれど、できる限りはしたほうがいいよね。

 

家に着いて早速、お湯を張った洗面器に漂白剤を入れ、そこにクサクサのハンカチたちを漬け置きした。30分後にハンカチたちを取り出して普通に洗濯機にかける。翌日、物は試しで家の中で洗ったハンカチを使って何度も手を拭いてみたが、あの嫌な臭いは全くしなくなっていた。やったぜ。なんだか外で遊べなくてモヤモヤしていたけれど、ちょっとでもスッキリすることができて良かったです。