牛車で往く

日記や漫画・音楽などについて書いていきます 電車に乗ってるときなどの暇つぶしにでも読んでください

スポンサーリンク

思い出の中のスズキの味噌焼きが忘れられない

ミスチルのPVが大量にアップされている。多分、コロナウイルスで自粛ムードの影響を受けて。

 


Mr.Children 「I'LL BE」 MUSIC VIDEO

 

「I'LL BE」のPVがフルでアップされているのは、本当にありがとうございますといった感じ。ときに、今の時代はもうPVではなくMVと言うようになったのでしょうか。プロモーションビデオ(Promotion Video)ではなく、ミュージックビデオ(Music Video)。確かに今やYouTubeのおかげでプロモーションビデオが再生されただけでも収益が入るようになったため、もはやプロモーションビデオはプロモーションでもなんでもなく、それ自体が収益をもたらす商品となった。じゃあYouTubeによって収益が得られなかったころは、どんな風に呼ばれていたのかを調べてみたところ、なるほどVIDEO CLIPね。そうやった、そうやった。スペースシャワーとかでもVIDEO CLIP特集って言ってたわ。これもビデオの影響力がなくなって言われなくなったけど。時代は常に更新され続ける。

 


The Buggles - Video Killed The Radio Star

 

ミスチルがMVを上げ始めた他にも、コロナの影響で小説家の柴崎友香がnoteで日記を書き始めた。

 

note.com

 

この状況下で

 

日記書いといたほうがいいよ、今こそ日記やで

 

と思う気持ちは分かる。誰のためとかそんなんじゃないんだけど。そして日記を書くという行為について色々書いた後の唐突な

 

それで今日は、フルーチェを作りました。

 

という切り替えになんだか笑ってしまった。それにしても、この柴崎友香の書くゴリゴリの関西弁、関西出身のわたしはスラスラ読めるけれど、関西以外の人たちにとっては読みにくいものなのだろうか。さらに柴崎友香の日記といえばこれに加えてもうひとつ「よう知らんけど日記」というものがある。

 

www.lmaga.jp

 

こっちもゴリゴリの関西弁。大学生のころ、通学の電車の中で勉強する気も起きないし、小説を読む気分でもないときに、スマホでよくこれを読んでいた。ちょうどいい肩の力の抜け具合。それ以外にも、webちくまのエッセイや、kenzeeという方の書かれているブログ「kenzee観光第二レジャービル」などを読んでいた。webちくまで連載されていたceroのメンバーである荒内佑のエッセイが、この度本になるらしい。

 

www.cinra.net

 

webちくまで連載されていたときのタイトルは「宇宙のランチ」であったのだが、そこからタイトルを改めて「小鳥たちの計画」。このニュースを聞いて「宇宙のランチ」のエッセイの中でも特に好きであった、タバコとプールについて書かれていた回を読み直したくなり、webちくまのサイトを訪ねたところ、「宇宙のランチ」のエッセイはすべて削除されていた。まあ本になるからそりゃそうか。残念やけども、買うかどうかは悩むなーというのが正直なところで、まあどうしようって感じである。kenzeeさんのブログでは、中脇初枝の「魚のように」という小説に関する一連のレビューがめちゃくちゃ好きであった。

 

bungeishi.cocolog-nifty.com

 

レビューを読んで「魚のように」を読みたいなーとなったのだが、当時この小説は絶版であり、kenzeeさんのブログでもしつこいほどにAmazonで古本なら1円で買えると言われていたのだが、中々手が伸びずに読まないままでいた。でも、それから数年後に新潮文庫で「魚のように」は復刊されて、すぐに買って読んだ。

 

魚のように (新潮文庫)

魚のように (新潮文庫)

  • 作者:中脇 初枝
  • 発売日: 2015/07/29
  • メディア: 文庫
 

 

ブログに書かれていたとおり、読んでみると「魚のように」は素晴らしい作品であった。これまたすぐに影響を受けて、作品の舞台である高知県の四万十川に行きたくなって、友達を旅行に行こうと誘ったのだけれど、高知県はそんなに観光する場所がなさそうであり、同じ四国の道後温泉のある愛媛県に行くことにしたというブレっぷり。同じ四国というくくり方の雑さ、今となっては反省したい。なにはともあれ、道後温泉に行くことになり色々調べていると、なんと道後温泉は「千と千尋の神隠し」のモデルになったとの情報が。「千と千尋の神隠し」のモデルとしてよく挙げられるのは台湾の九份であるが、実はこれは旅行会社が千と千尋の大ヒットに便乗して言い出したことであり、デマであるとの噂がある。これらについてちゃんと調べてみると、NAVERまとめに詳細にまとめられていました。

 

matome.naver.jp

 

多分、NAVERまとめを初めてちゃんと読んだ記事。道後温泉がモデルとして少し入っていること、台湾の九份はモデルじゃないことのソースがこのまとめで明かされている。まとめて下さった方、ありがとうございます。ということで、

 

色々な温泉が入っていて特定のモデルはないけれど、道後温泉は確かに入っている

 

と、宮崎駿監督が認めたとジブリ日誌のこのページにも書かれているのを信じて、道後温泉への期待がものすごく高まっていった。まあ、千と千尋のモデルじゃなくても楽しみだったけれど。そしていざ実際に入った道後温泉。道後温泉は3階まであり、2階以上に行くためには少し高い料金を払わなければならない。しかし2階、3階には1階にはないお風呂「神の湯」、さらには畳の休憩スペースがあるとのことで『よっしゃ、そりゃあ2階に行くべきでしょうよ。』と意気込んで2階行きのチケットを買った。そしていざ2階のお風呂「神の湯」の戸を開けたところ、これがめちゃくちゃちっちゃかった。本当にびっくりするほどちっちゃかった。そして、そんなちっちゃいお風呂の中におっさんたちがひしめき合っていた。正直こう思いましたよ、『マジかよ・・・』って。でもしょうがないから、そのおっさんたちの群れに自分も突っ込んで、道後温泉を無理やりに楽しんだ。こちらのブログでもそんなことが書かれており、やっぱりみんなそう思うよなって感じです。

 

blog.goo.ne.jp

 

とはいえ、お風呂から出たあとの休憩スペースは普通に良かったです。風の通りが涼しくて、畳もひんやりしていて気持ちがいい。坊ちゃん団子も食べました。そう言えば、夏目漱石の「坊ちゃん」の舞台でもあったな。そして、前にも書いた気がするけれど、その夜に泊まっていた旅館で食べたスズキの味噌焼きが、忘れられないくらい美味しかった。『焼き肉より美味しいやん・・・。』と、本当にアホみたいな感想を抱いたことを覚えている。日によるやろ。ただ、先ほど忘れられないくらい美味しかったと書いたが、忘れられないのはその美味しかったという印象だけであり、実際にはどんな見た目の料理だったかは忘れてしまった。大学生のころのわたしは、ご飯を食べに行ったときに、友人たちが料理の写真を撮る様子を見て『そんなん撮ってなんの意味があんねん。いつ見直すねん。で、見直したとしてもどんな感情を抱くねん。』という、ちょっぴりイタイことを考えていたため、料理の写真なんて全く撮らなかった。でも、今はあのスズキの味噌焼きがどんなものだったかが猛烈に気になる。記憶の中ではめちゃくちゃうまかった。撮っておけばよかった。マジで。

 

四国に対しては、とにかく魚が美味しいイメージがある。香川県のオリーブぶりや、高知県のカツオのたたきなどなど。気候も暖かくなってきたし、また行きたいのだけれど、コロナウイルスのせいで行けないので、モヤモヤしまっせホンマに。