牛車で往く

猿も木から落ちる イチローも肉離れする

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How the hell you're out of coffee!

夏の朝、蝉が鳴いている。蝉にも種類があって鳴き声が違うのは知ってるけど、近所で鳴いてる蝉がなんていうやつかは分からない。ミーンミーンでもないし、ツクツクホーシでもない。ただただジジジジ鳴いている。大きな木の下を通るときに、一段と大きくなって頭の上から降ってくる蝉の鳴き声を浴び、蝉時雨って名付けた人のセンスに脱帽する。言われりゃあ確かに雨のようです、これは。一瞬木陰を通っただけでは大して暑さはマシにならず、家を出たばかりでクーラーの冷気をまとった、さながらスター状態が続いているうちに、できるだけ会社の近くまでたどり着きたい。時々、やけに汗をかく日があって、そんなときは大体寝不足であることが多い。自律神経の失調が異常な発汗をもたらしている。川沿いの道を自転車で走る。川の流れる音と後ろから自分を追い抜こうとして近づいてくる自転車の音は似ていて、どちらも何かを引きずるような音。いつも赤信号で引っかかることになる横断歩道での信号待ちのあっつい間は、こちら側の歩道に立っているほっそい信号機の柱の影に隠れる。昨日は歩道の伸びる方向とほとんど平行になって落ちていた影が、今日は車道側に傾いている。昨日と比べて家を出る時間が少し遅くなっただけなのに影の傾き加減が変わっているなんて、夏の朝の太陽はぐんぐん昇っていくようで、それに気づいたら気温もぐんぐん上がっていくように思えて、暑さにうんざりする。そんな気持ちを静めるために、目を瞑って心を落ち着かせながら涼しいと自分に言い聞かせると、本当に少しだけ汗の湧き出る勢いがおさまった気になって、それは気のせいだという思いに隙を突かれないよう、気持ちの起こりを必死につかんだまま離さないように意識する。でもそう意識している時点ですでに気のせいだって考えが頭によぎって気が散っているのが、寝つきの悪い夜にようやく迎えた、あ、寝れそう、って瞬間に、あ、寝れそう、って思ってしまったそのせいで、寝れそうさを取り逃してしまうのによく似ている。大人になったら季節が過ぎることばかりを気にしてしまい、それはあんまり面白くないことだから、どうにかそんな事を考えないスピードで日々を過ごしたいけれど、そのやりようが見つけられなくて、結局夏がどうとかこうとか考えてしまう。

 

Helsinki Lambda Clubのアルバムジャケットで知った金本凜太朗って人の写真が良くて、このごろよく眺めている。

 

xico.co.jp

 

andpremium.jp

 

自分は自分で撮影した写真を見て、写っている風景の広がりのなさから、肉眼以上のものを得られないとかうんたらかんたら御託を並べて物足りなさを感じているけれど、それは目の前の風景をただただ撮ろうとしているだけだからであり、もっと言えば、カメラのレンズを通してしか撮れない風景については考えていない、写真の枠内に収めるってことを意識しながら風景を撮っていないからだと、金本凜太朗の写真を見ていると気付かされる。カメラで撮る意味。金本凜太朗の写真には、肉眼よりも必然的に視野が狭くなり、かつフォーカスがどこか一点に集中しながらもその周辺に存在する景色ものっぺりと同じ平面に映し出されざるをえない写真だからこその良さがある。写真の範囲だけにしか映らないことを活かしたギチギチ感だとか、枠に区切られたことで逆にその枠外の風景をこちらが勝手に補って感じる広がりだとか。でもそんなことは写真家であればほとんどの人が意識しているだろうから、なんとなく金本凜太朗の写真は自分の感性に合ってるんだと思う。結局そんなオチ。でも言葉に出来ないその微妙さこそがキモ。自分は金本凜太朗の球場シリーズが好きです。他にもフェンス越しとか、網越しといった、何かしら越しに撮られた風景の写真がよくあって、そうしたら台風クラブの曲に窓越しに見た外の風景について歌われているものがちょいちょいあったなってことを思い出し、なんか外に出たいけれど理由がないから出るに出られない、そんなふうに家の中でウダウダしながら窓の外の景色を眺めている様子が思い浮かんで、めっちゃ家おるやんって、夏の今まさにそんな過ごし方を繰り返している自分の姿が浮き彫りにされた気分になる。金本凜太朗の写真が良いから、写真が使われたTシャツが売られてないもんかと探し、スズリで売られているのを見つけたのはいいものの、いい感じの写真のものがなくて結局買わなかった。この写真のTシャツがほしいっていうリクエストができたらいいのに。

 

YouTubeのおすすめに黒人が怒ってるのにビートを流したらラップになった動画が流れてきて、久しぶりに見たらコメント欄に黒人の言っている文句の和訳が載っけられていた(多分この動画の翻訳をそのまま載っけている)。

 


例の黒人が怒ってる動画を翻訳してみた【日本語和訳/日本語字幕/英語字幕】【黒人ラップ怒る】

 

自分は、自分の吐き出してるもんは悪口ではなく怒りやからって思うことがよくある。いや、陰で言ってはいまっせ? でも真剣にイラついてるから。面と向かって言わへん(言えへん)だけで真剣にイラついてはいるから。悪口とかじゃなくてキレてんですよ、こちとらって感じ。だからこの黒人のもスタバの愚痴ではなくて、タイトルに書かれている「黒人ラップ怒る」の文言の通りスタバへの怒りなんですわ。言っても仕方のないことではなくて、本気でキレてるから改めろっつう話。ほんでもって自分は別にスタバに対して怒りは抱いていない。あんまり行かんから割とどうでもいい。近所で鳴いてる蝉の種類ぐらいどうでもいい。でもこんだけキレてたらなんとなく味方したい気になる。おれは別にキレてないけど支持したい、なぜなら翻訳の文体のテンションが黒人の怒り方とビートに合っていて、聴いていて楽しい気分になってくるから。あと普通に言ってることも面白いから。やっぱりこう、理想としては面白くキレたいというか、キレてる中にも笑いどころを作りたいというか。ヤバいやつのヤバいところを真似したあとにそこにセルフでツッコんで、聞いてる人に「そうそうそう!」って笑いながら分かるわ~って感じで共感してほしい。この動画で言うところの

「コーヒーって何かって言うとですね、徹夜することができて なおかつあなたが売らなきゃいけない飲み物なんですよ^^」
って言ってやったんだ そしたらその女が
「すいません・・今コーヒーを切らしていて・・」って 
どうやったらお前らがコーヒーを切らすんだよ!

っていうくだりみたいな感じで。これはあれですね、ウケたいに重きを置きだしたら、スタンスとしてそれはもう陰口ですかね。