牛車で往く

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歯磨きが一番上手だったころ

いつからかくしゃみをすると喉が痛くなるようになった。くしゃみをした後すぐにお茶を飲まないと、風邪をひいたときみたいに喉に焼けるような痛みが残る、その理由が知りたくて下のYahoo!知恵袋にたどり着いた。

 

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

 

回答者の「鼻でくしゃみをする様に意識してみてはどうでしょう。」を読んで、『鼻で?』と思う。くしゃみなんて口から出るもんじゃないの? 鼻でするってどうやって?と戸惑いながらも、物は試しで次にくしゃみをするときはどうにか鼻でやってみることにしよう、そう心に決めたはいいもののくしゃみは突発的にやって来るもんだから、いざそのときを迎えると鼻でするなんてことを考える暇もなく、へっくしょん!と口から出る、そうして喉に焼けるような痛みが走る。『そうや、鼻でするんやったわ』と反省しつつも『え、無理じゃない?』とも思い、その後も口でのくしゃみが数回続いた。口でくしゃみをするたびに『そうや、鼻でするんやったわ』と反省しつつも『え、無理じゃない?』と思うのを繰り返していると、いい加減頭が鼻でしなければということを覚えたのか、くしゃみが出そうになったときに『鼻でせな!』と思えた瞬間がやって来た。方法がよく分からないなりに口をギュッと閉め、あとは勢いに任せてくしゃみをすると、自然と鼻から空気を逃がすことができた。『おお、できた』と思うとともに確かに喉が痛くない。その代償に鼻が痛いということもなく、上手くできた事実に感動する。ということは、喉が痛くなる前は自然と鼻でくしゃみをしていたということで、いつの間に口でするように変わってしまったのだろうか、その自覚は全くなかった。

 

こういった無意識の行動のうち、毎日を過ごす中で少しずつフォームが変わっていっているのだろうとなんとなく自覚できるものもあって、それは歯磨き。一ヶ月前の磨き方もろくに思い出せないけれど、歯磨きにかける時間はだんだん長くなっていっているような気がするし、力の入れ具合も変わっていっているような気がする(今は強めに磨いているような)。なんならどんどん下手になっている気さえしていて、それは歯を磨くときにはだいたいテレビを見ながらだったり、スマホをいじりながらだったり、ながら磨きで集中していないからかもしれない。歯磨きでは上手にできた結果もたらされるものが口内環境の平穏という、その努力の恩恵を実感しにくいものになっていて、ながら磨きはそのまんま平和ボケした輩の怠惰な行為。歯と歯茎の間を磨いているときに痛みが走って初めて、自分の人生で一番歯磨きが上手だったころって一体いつなんだろうと考えてみる。誰か早く全自動歯磨き機を作ってくれと、自分の口内環境の平和を自分で守ろうとせずに思う。

 

TVerを見ていたら流れてきためぐりズムのCMのインディーロック感に、思わずスキップせずに全部見た。

 


花王 めぐりズム 「たまには感覚にまかせて」活動レポート動画30秒 あなたはどの感覚体験がしたい?

 

やたらと再生数が多いのは、他の人も同じところに引っかかったからだろうか。PVが漫画の口笛を吹く洋楽を思い出したけれど、別にそれは聴かずに回りまわってHelsinki Lambda Clubを聴いた。

 


King Of The White Chip (Official Video) − Helsinki Lambda Club

 

この曲のギターソロが好きで、仕事中に思い出して脳内で何度も再生することがある、でもこの前はジュディマリの「BLUE TEARS」が頭の中に流れてきた。この曲はジュディマリの曲の中でそんなに好きなわけじゃなかったのだけれどなぜか流れてきて、それを繰り返し頭の中で流し続けていたら(というか勝手に流れ続ける)無性にちゃんとした音源で聴きたくなり、家に着いて速攻聴いたところ『良いなあ』と自分の中でこの曲のランクが一つ上がった。YUKIの声が本当に良くて、わすれかけてた〜、という入りのワンフレーズ一発で心を掴まれる。とか言いながら今ハマっているのは、上で挙げたHelsinki Lambda Clubの曲が収録されているスプリットアルバムに同じく収録されているtetoの「新しい風」で、「知ぃらない野良猫がそっとぉ~」のところのコーラスが良くてそこばっかりを聴いている。

 


新しい風

 

そこばっかりを聴きたいから、個人的には「朝焼けが」以降の部分はいらなくてSoundCloudにあるバージョンの短さで良いのだけれど、こっちはこっちで「ここから生きていくー」と歌い上げる最後で声を枯らしてないのが物足りない。

 

 
のだめカンタービレを見るために契約していたFOD、せっかくだから他の映画も見ようと思い、見たい映画を考えてみたところ、妻夫木くんが出ていた映画版のウォーターボーイズが思いつき、配信されているのか検索したのだけれどドラマ版のものしかなかった。諦めて他の映画を探していたらガリレオの「真夏の方程式」を見つけ、自分は以前にこの映画を家族の誰かがレンタルしてきたタイミングでチラッと見たことがあり、そのときに見た福山雅治と男の子がペットボトルロケットを飛ばすシーンが良かった印象があったから、そこだけを見た。案の定良くて、海の映像に興奮している男の子の顔が送信元のペットボトルの中に入れたガラケーには映っているっていう演出が、こういう映像作品でしかできないものだと思った。現実では海に飛ばしたガラケーの画面なんて誰も見ることができないから、そこまで意識が及ぶことは滅多にないけれど、本当はそんなふうにペットボトルの中のガラケーの画面には喜ぶ男の子の顔が映っているってことに気づかされる、それだけで感じる喜びみたいなものがある。そうして現実で似たような状況に出くわしたときに、映画のシーンからガラケーには喜ぶ顔が映ってるんじゃないかみたいに、そこまで思いが至るようになるのが面白い。
 
panpanya特集号のユリイカを読みたいと思ったのだけれど、近所の本屋を数軒回っても見つからなかったのでネットで買った。
 

 

本人のインタビュー記事が一番面白かった。他の人がpanpanyaについて語っているものは、panpanyaの漫画にはこういうことが書かれているとか、panpanyaの漫画はこういうふうに書かれているとか分析したものが多くて、普通に一人一冊ずつ単行本を担当してそれについて感想を述べるみたいなものが読みたかった。とはいえ、この本を読んでいるとpanpanyaの漫画を読み返したくなってきて、とりあえず全部引っ張り出してみたところ、「足摺り水族館」と「蟹に誘われて」が見つからなかった。おそらく実家にでもあるんだろうと、とりあえず一番好きな「グヤバノホリデー」を読み返す。グヤバノを探す旅がやっぱり面白く、旅行記をまとめた「そぞろ各地探訪」なる漫画が来年の春に出るとの広告がユリイカの背表紙に載っていて、それも楽しみになった。旅行記以外のやたらと理屈っぽい漫画も普通に面白くて、panpanyaにうまいこと全自動歯磨き機の仕組みを考えてほしいと思った。