牛車で往く

日記や漫画・音楽などについて書いていきます 電車に乗ってるときなどの暇つぶしにでも読んでください

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2020-01-01から1年間の記事一覧

続・蜜柑の輝きは何によるもの?(平岡敏夫「ある文学史家の戦中と戦後」)

以前に読んだ荒川洋治の「読むので思う」の中で引用されていた、平岡敏夫の「ある文学史家の戦中と戦後」を読んだ。 ある文学史家の戦中と戦後―戦後文学・隅田川・上州 (学術叢書) 作者:平岡 敏夫 メディア: 単行本 「読むので思う」では、平岡敏夫の「ある…

河川敷ですれ違うおっちゃんに教えてもらったこと

家を出て自転車に乗り会社に向かって漕ぎ始めると、ペダルを漕ぐのに合わせてキコキコと音が聞こえてきた。大学を卒業し会社に就職して以来ずっと同じ自転車に乗り続けてるのだが、そろそろガタが来ているのかもしれない。とはいえそんな音が聞こえてくる頻…

御所の読み方は「ごしょ」で、御苑の読み方は「ぎょえん」

最近は洗濯物の乾きが非常に悪いから、せめて朝早くから洗濯して外に干しておく時間を少しでも長くできれば多少は乾きもマシになるだろうと、自分が目を覚ましてすぐに洗濯が開始されるよう、洗濯機の開始タイマーを予約しておこうと思い立った。洗濯機の予…

蜜柑の輝きは何によるもの?(荒川洋治「読むので思う」)

荒川洋治のエッセイ「読むので思う」を読んでいると、アメリカの学生は芥川龍之介の「蜜柑」における汽車の窓から蜜柑が投げられるシーンを読んで、その場面には神様が関わっていると解釈するとの記述があった(正確には、荒川洋治が平岡敏夫の「ある文学史…

涼しい夜から肌寒い夜に変わったころ

初めて訪ねた街を歩いていると、その風景の中に自分の知っている街の面影を探してしまう。あ、ここはあそこらへんっぽいなあとか、ここはあそこらへんの雰囲気に似てるなあとか。そんなふうにして目の前の街の輪郭を知っている街のものに当てはめてみるのだ…

開架式書架の前で深刻ぶる在りし日

金曜日。雨ということで電車にて通勤。ウォークマンでThe Bandのセルフタイトルアルバム「The Band」を聴いていると、めちゃくちゃ気持ちがしっとりしてきて家に帰りたくなった。 The Band アーティスト:The Band 発売日: 2001/08/27 メディア: CD このアル…

もう虫なんて捕まえないお年頃

最近、知らない間にしれっとNHKで「浦沢直樹の漫勉」がneoになって復活していた。言ってよ、誰か。 www.nhk.jp 漫画家が作品を描く姿を定点カメラで撮影し、その映像をその漫画家本人と浦沢直樹が見ながら対談するといった番組。数年前に「浦沢直樹の漫勉」…

「ファンタジー」と「海に帰す」

布団の上で平民金子の「ごろごろ、神戸。」を読んでいると、ごろごろ神戸2の章に収録されている「ファンタジー」が素晴らしくてやられてしまった。 ごろごろ、神戸。 作者:平民金子 発売日: 2019/12/10 メディア: 単行本 特に冒頭の、子どもが地面のあたた…

秋の夜の川で鳴いているのは多分鈴虫

最近はすっかり気温が落ち着いてきまして、半袖を着ていると日中はちょうどいいぐらいの涼しさで汗をかくことがなくなってきた。太陽も18時ぐらいには姿を隠し始める。今年の夏は梅雨がずっと長く続いて、それが明けて一気に暑くなったかと思うと急に涼しく…

~2020年8月、9月に読んだ漫画たち~

タイトルを波線で囲んだりしちゃいました。っていうことで、マジ漫画読んでます。 チェンソーマン 8 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:藤本タツキ 発売日: 2020/08/04 メディア: Kindle版 チェンソーマンは本当に面白いなと思っていましたが、出てきたキャ…

妹尾豊孝写真展と入江泰吉「万葉大和路」展を観に奈良へ

先日、奈良市写真美術館に妹尾豊孝写真展を観に行った。 写真家・妹尾豊孝による、1990年代の大阪と京都をテーマにした個展が奈良で開催。https://t.co/ntWLFtuM50 — Lmaga.jp (@lmaga_jp) 2020年8月30日 近鉄電車に乗って近鉄奈良駅へ。この日はとても天気…

銀閣寺に行かずに哲学の道を進み、永観堂を飛ばして南禅寺へ

もう九月だけれどまだまだ暑い。去年は八月の最後に実家に帰省して地元を一日かけて散歩したけれど、この夏はコロナウイルスのこともあってそもそも実家には帰省せず。それでもブックオフのCMの言う通り、ずっと家に居るのはそれはそれでなんだか心がしんど…

中学生でもあるまいし『この曲サビないやん』とかはもう思わない

家にいる時間が多くなると自然とネットサーフィンにかける時間も増えてしまい、その結果、ずっと欲しかった本などをポチポチと購入してしまいました。 いつものはなし 作者:近藤 聡乃 メディア: コミック 「不思議というには地味な話」が新版として復活した…

第41回ABCお笑いグランプリと第9回ytv漫才新人賞決定戦の感想

先日放送されていたお笑い二刀流という番組で披露されていたシソンヌの漫才が面白かった。 www.tv-asahi.co.jp まあ、ボケのじろうが女装していて純粋な漫才ではなくキャラ漫才ではあるのだけれど、そんなお笑いのフォーマットとかは関係なく、癖になる面白…

なんでもない日にスーパー銭湯に行ってざるうどんをすする

ロンリーの「ぱらのいど」という曲が良すぎて、最近はずっとこれを聴いている。 ロンリー - ぱらのいど @ METEO NIGHT 2014 FINAL 投げやりじゃないけど投げやりっぽい歌い方。「あたまを振ってさあ~」からのドラムのドゥンドゥンに合わせて、最前列の客も…

TシャツのMサイズはSサイズでもありLサイズでもある

先日、靴下を買おうと思いユニクロに行ったところ、ピンポンのTシャツが売られているのを発見して購入した。 www.uniqlo.com ペコとドラゴンが打ち合っているシーン、めちゃくちゃカッコいい。およそ1000円という値段でこのクオリティとは、流石は大量生産に…

夏の甲子園の始まりと川の始まりのどっちもをちゃんと分かっていない

今年も7月は終盤にもかかわらず梅雨が続いておりまだまだ雨の日が多い。洗濯物は必然的に部屋で干すことになるわけですけれども、朝早く起きて洗濯機を回して干すのはめんどくさいから、仕事が終わって帰ってきてから洗濯するのがだいたいとなっている。洗濯…

手の描き方がいい漫画(和山やま「女の園の星 1巻」)

和山やま先生の「女の園の星」の一巻を読みましたけれども、面白いですね。 女の園の星(1)【電子限定特典付】 (FEEL COMICS swing) 作者:和山やま 発売日: 2020/07/08 メディア: Kindle版 今回は女子校の先生が主役ということで、まあこの星先生と小林先…

ファミレスのボックスシートで過ごす夜

夜にはだいたい部屋に適当な音楽を流しながら過ごしているんだけれど、そんな風にしながら本を読んでいると曲の歌詞のほうに意識が引っ張られて読むのに集中できないときがあって、なんだかメロディに言葉があるのは鬱陶しいなと感じることがある。ってこと…

ヘルシンキもイコルスンも神戸もカルピスゼリーも何度でも良い

夏になって夏の曲が聴きたくなって聴くのはなんとも単純すぎるなあと思うのだが、聴きたくなったのだから仕方がない。 自分はHelsinki Lambda Clubの「彷徨いSummer Ends」の1:10あたりのギターギュワワワーンの部分がめちゃくちゃ好きで、何度も巻き戻して…

台詞もいいけどキャラの表情もいいし結局全部いい(平方イコルスン「駄目な石」)

久々に平方イコルスンの「駄目な石」を読み返して『最高やなあ』となり、これまたすぐさま何度も読み返す。なんか良すぎたんで今さら感想を書きます。 駄目な石 (楽園コミックス) 作者:平方イコルスン 発売日: 2015/11/20 メディア: Kindle版 まあとりあえず…

まだ夏練習だからエアコンの冷房をつけ始めるには早い気がする

気温が30℃を超える日がちらほら増えてきて、今がまさに初夏なんでしょうよって感じ。初夏凜々。 こちとら漢字が夏じゃなくて花やから春の歌かもしれまへんが。自分が中学生くらいのころに、FM802で飽きるほど流れていたSINGER SONGERの「初花凜々」。あのこ…

東京感のなんたるかを知る

夜中になんとなく、去年東京に行ったときの自分のブログを読み直した。東京を訪れたときに自分は 明治神宮球場で阪神ファンたちに囲まれたおかげで東京感を全く味わえていないことから、急遽、夜の東京駅を見に行こうということになった。失われた東京感を取…

カルピスゼリーが見つからない

今週の火曜日あたりから、夜が大変蒸し暑くなってきて、いよいよ日本らしい夏が近づいてきたって感じだ。今の時点で日中マスクを着けて活動してもものすごく暑いのに、7月、8月あたりになってもこのままマスクを着け続けなければならないであろうことを考え…

なかったかもしれない思い出とあったはずの出来事(滝口悠生「半ドンでパン」)

最近ではスーパーに買い物に行くと、新玉ねぎが売られている。新玉ねぎのなにが普通の玉ねぎと違うのかも分かっていないのに、名前に”新”が付いているだけで普通の玉ねぎよりも美味しそうに思えてくる自らの浅はかさ。シン・タマネギ(シン・ゴジラのシンの…

海と友人たちはいっしょ

暇すぎてピンポンを読み直す。 ピンポン (1) (小学館文庫 まC 2) 作者:松本 大洋 発売日: 2012/07/14 メディア: 文庫 相変わらず面白い。ピンポンは漫画、映画、アニメとあるけれど、自分は漫画が一番好きです。とはいえ、映画も面白くて極楽寺の階段でペコ…

2020年の5月のみんなはどんな感じなんだろう

夜、なかなか眠れないなあと思いながら布団の上でうつ伏せになっていると、息を吐き出すときにだけ、自分の鼓動が布団から跳ね返ってくるのに気がつく。息を吸うときにはピタリと止まるのに、吐き出すときにはまるで傷口が痛むように鼓動が心臓の位置を知ら…

オリエンタルな風を都合よく身にまとう

ゴールデンウィーク初日、まるでこちらが外出を自粛しているのを知っていて、意地悪でわざとそうしているかのように晴れ渡った天気。気温も初夏のように暖かい。っていうかちょっと暑い。いま外に出れたら最高だろうなあと思わざるをえないほどである。そん…

在宅勤務のいいところはすぐにトイレに行けるところ

全国に緊急事態宣言が発令されてから、一週間のうちの何日かは在宅勤務をするようになった。在宅勤務のいいところは、なんと言ってもギリのギリまで寝ていられるところと、お腹が痛くなってもすぐにトイレに駆け込めるところだ。一度、在宅勤務中に腹痛に襲…

コロナ禍と持て余したワンダーラスト

相変わらず続くコロナ禍。初めてコロナ禍という言葉を見たとき、読み方が「コロナか」と分からなかった。読み方を調べると「コロナ禍の読み方とは?」みたいな、答えをスッと書かないページばかりが検索上位に来ていてイラッとした。「みなさんはコロナ禍を…