ゴールデンウィーク初日、まるでこちらが外出を自粛しているのを知っていて、意地悪でわざとそうしているかのように晴れ渡った天気。気温も初夏のように暖かい。っていうかちょっと暑い。いま外に出れたら最高だろうなあと思わざるをえないほどである。そんなことを思いながら家でTwitterを見ていると、The Strokesの公式アカウントがある動画をアップしていた。
The feature presentation of ‘5Guys Talking About Things They Know Nothing About - Episode 3’ will premiere on YouTube shortly. Stand by...https://t.co/sLsuTKd5dy
— The Strokes (@thestrokes) 2020年5月1日
🎹 by Hiroshi Sato - Say Goodbye pic.twitter.com/eFYNwPjXWf
メンバーの5人がオンラインチャットで色々なバンドについておしゃべりする内容のものなのだが、この動画のオープニングで佐藤博の「Say Goodbye」が流れてきた。
竹内まりやの「Plastic Love」を筆頭に、日本のシティポップが海外で流行しているとは本当だったのかと、こんなところでも実感させられる。動画の中身は英語で何をしゃべっているのか全く分かりませんでした。翻訳こんにゃくくだせえ。佐藤博のシンセ感はジュリアンの好みっぽいななんてことを勝手に想像する。ということですぐに影響を受けて佐藤博のawakeningを聴く。
個人的には5曲目のゆったり落ち着いたリゾートミュージックのような「Love and Peace」が好き。
awakeningを聴いていたら、別のアルバム、Orientに収録されている「ピクニック」も聴きたくなり聴く。流石はOrientというタイトルのアルバムに収録されているだけあって、まじオリエンタルって感じがいいです。ピクニック行けへんけどもよ。今は何をしていてもすぐに自粛の方向に想いが逸れてしまうのは仕方がないことでしょうか。ときに、オリエントとは東洋を意味する言葉であるのだが、東洋がどの辺りを指すのかは個人的に漠然としている。さっきは「まじオリエンタルって感じがいいです」なんてことを言っておきながら・・・。なんとなく真っ先に中国が思いつくのだが、他の人たちはどの地域のことを思い浮かべるのだろうか。例えば、アメリカの人たちはオリエントと聞いて、中国だけでなく日本のことなども思い浮かべるのだろうか。なんなら、佐藤博のこのOrientは、日本のことも含めた意味での東洋なのか。なんとなく日本人の使う東洋には、日本のことは含まれていない気がする。なんてことを考えていると、この小論を見つけた。
orient、東洋(とうよう)と東方(ドンファン)― orientという語の訳語から日中両国の自己のあり方を探る ―
日本、中国のそれぞれの歴史の中における東洋の位置づけに関して書かれたこの小論を読むと、欧米諸国は東洋のことを、中国を中心とするアジアとして捉えていたことが窺える。日本はその時々で、東洋という言葉が意味する地域を都合よく使い分けていたようだ。哲学などの分野で研究に先行する西洋に対抗する際には、自国のことを東洋に所属する国のひとつであるとする一方で、歴史の面では、日本は中国などその他の国とは独立した歴史をもつ国として、自らを東洋から除外していた。これらのような東洋に対してどっちつかずの状態は、自らを大きく見せて西洋に対抗するためにあえて所属したり、自らはアジア諸国と同様ではなくより優れた国家であるとみせるためにあえて所属しなかったりといった背景に由来するのだが、道理でこのせいでオリエント、つまりは東洋が何を指すのかが曖昧でピンと来ないわけだと納得できた。「ウチらって、付き合ってんの?」と東洋に聞かれたとき、果たしていまの日本はなんと答えるのだろうか・・・。
話は佐藤博に戻るが、佐藤博の歌声ってXTCのボーカルのものと似てませんか?awakeningに収録されている「From Me to You」とかすごく似ている気がする。
XTCのアルバム「Oranges & Lemons」は4曲目までの流れが最高だけど、いつもそこでお腹いっぱいになってしまいます。
最近はずっと家にいるから、音楽をよく聴くのだが、Sodapopなる人にハマっている。SoundCloudで適当に曲を流していたら耳に入ってきてビビッときた。調べてみると、ネットレーベルのAno(t)rackからいくつか曲が発表されていた。
めちゃくちゃ爽やかでいい曲。そしてビーチテニスなる競技があることを知る。ビーチでテニスってボール跳ねるんかいな?この曲が収録されているコンピレーションアルバム「Light Wave '14 (vol.2)」はbandcampに転がっており、インディーズのシティポップを発掘することがコンセプトとなっているアルバムのようで、詳しくは下のブログにまとめられている。
他にも、おおのゆりこという方とfeat.した「機械だらけの街」もいい。
直近のリリースはSoundCloudに1年前に上げられたデモ音源となっており、アルバムやEPなどはリリースされていなかった。気が向いたらでいいんでフルアルバムを作ってほしい。聴きたいです。Ano(t)rackから曲をリリースしているSodapop以外のアーティストを見てみると、Momやシンリズム、The Paellasなどの名があり、渋いなあと思った。
ほんでもってbandcampに関してなのだが、Teen Runningsのカネコ、いやTeen Runningsがカネコなのだが、カネコさんが以下の内容のツイートをしていた。
バンドキャンプ中抜き酷すぎて全然キャンプしたくないし、今はサプスクを聴いてもらえるほうが嬉しいです
— kaneko (@TRKANEKO) 2020年5月1日
どうせならアーティスト的にはbandcampではなくサブスクで聴いて欲しいとのこと。サブスクで聴いた場合には、どれくらいの再生回数でアルバム1枚の売り上げと同じくらい稼げるようになるのかも気になるところ。SoundCloudでは、プレミア会員になると収益化できるようになったり、外部ストリーミングサービスと提携できたりするサービスがあるが、使い勝手はどんな感じなんだろうか。
消費する側のこっちとしては、好きなアーティストには可能な限りお金が入る仕組みで音楽を聴きたいとも思うが、人それぞれ音楽以外にも優先順位があるのも事実としてある。昨今は活字離れの影響を受けて本屋が閉店するなんていうニュースをよく見るが、そもそも本にお金をかけられる余裕がなくなったとの考え方もあるし、どこにどれだけお金をかけられるのかを取捨選択しなければならない状況の人もいるだろう。
■本が売れなくなった理由
— PANDA PUBLISHING (@PandaPublishing) 2020年1月27日
21年連続で前年割れの日本の出版業界だが、一方アメリカは紙書籍は横ばい&電子書籍は増加で、市場全体が拡大している。新興国も同じ状況らしい。
日本で本が売れない理由は、単純に日本人の購買力が20年間で2/3から半分に低下したためとのこと😭https://t.co/B5Zdd8CNRf
すべての産業に対してお金を落とす余裕なんてないかもしれないが、先ほども書いたように自分の好きな人たちが活動を続けられるように、できる限りは受けたものに対してお金を返すようにしなければと思う。芸術がなくなった世界がどんなものになるのかといった片鱗は、皮肉にもこのコロナ禍の状況下で擬似的に体験できてしまっているのではないだろうか。
Teen Runningsのアルバムは、1stのLet’s Get Together Againと2ndのNOWをもっていて、そのどちらも暑くなってきたこれからの季節がよく似合う。
1stは「My Beautiful Anna」から「Cruel Sea」までの後半4曲の流れが好きです。2ndは全体的に明るくて、こちらは前半4曲の流れ、その中でも「High School Love」がめちゃくちゃ爽やかで最高。
「High School Love」ってタイトルがもうね、すごいよね。タイトルをダサい和訳にするような野暮なことはしないが、もう絶対青春やんって感じのタイトル。で、その通りめちゃくちゃキャッチ―でキラキラした楽曲。最後の曲「Don't Take Me Down」もいい。Teen Runningsは全くオリエントな感じではなく、アメリカって感じですごいポップ。The 西海岸。沖縄旅行で聴いたときはもう全然合わなかった。Teen Runningsとマングローブは合わない。沖縄は夏川りみがドンピシャ。湘南乃風を夏の図書館で聴くのが合わないのと同じように、タイプが違う夏。いや、それよりはマシか・・・。こんなことを書いたけれどTeen Runningsめっちゃ好きですよ。