金曜日。雨ということで電車にて通勤。ウォークマンでThe Bandのセルフタイトルアルバム「The Band」を聴いていると、めちゃくちゃ気持ちがしっとりしてきて家に帰りたくなった。
このアルバムは家でゆっくり聴くのが良くて、通勤中の電車で聴くと完全に労働意欲が削がれてやる気ゼロになってしまう。ただでさえ家を出た瞬間に『家に帰りてー』って思ってんのに。特に「Whispering Pines」を聴くともうダメです。
松の木って英語でPineって言うんですね。日本では松の木は神が宿る神木とされ、門松なんかにも使われているから、なんとなく和の植物っぽい印象をもっていたけれど、アメリカでも街路樹として普通に生えてんだね。さらにこの曲に加えてHomecomingsの「Videotapes」を聴いて、もうフニャフニャになる。
TOKYO ACOUSTIC SESSION : Homecomings - Videotapes
そんな感じで会社に到着したもんだから、完全にLowな状態で仕事に入ってそのまま低空飛行で業務終了。それにもかかわらず「一週間頑張ったぞ!」と謎の充足感を得ながら帰り道を歩く。いや、正確には「一週間耐えきったぞ!」やな。
最近はマガジンで連載しているサッカー漫画「ブルーロック」が面白い。
スマホアプリのマガポケで金も払わずに無料でチマチマと読んでいるんだけれど、集めようかしらと思うほど。マガジンのスポーツ漫画って、必殺技とかがじゃんじゃん出てくるジャンプのものと違って、割と真面目というか、どっちかと言えば現実寄りなものが多いイメージを個人的にもっていたのだけれど、ブルーロックはそんなマガジンのスポーツ漫画とジャンプのスポーツ漫画のちょうど中間といった感じで、非常にいい塩梅でございます。特に76話が面白すぎて、この話だけこれまた広告動画を視聴することで無料でゲットできるポイントをチマチマ集めて購入しました。凪誠士郎はもはや第二の主人公と言いたいほどカッコいい。「蹴撃・・・的な空砲!」からのーーーがカッコ良すぎてもうね・・・。何回も読み直してしまいます。
ほんでもってスピリッツで連載されている「チ。ー地球の運動についてー」も面白そう。
面白いとは言い切らず面白そうと言ったのは、まだ2話までしか読んでないからなんですけれど。今じゃあ地動説なんて意識することなくすんなりと受け入れられているけれど、昔は天動説が主流で、さらには地動説を唱えようもんなら迫害される恐れもあったなんて。とはいえいまだに似非科学なるものは世の中にはびこっているわけでして、さらには似非科学のみでなく、わたしたちは感情に従って生きているもんだから、トイレットペーパーがなくなると言われりゃ不安になって、ウソかホントかも確かめずに薬局に大行列を作るわけでございます。そんな時代だからこそ、この漫画が連載される意味みたいなものを考えてしまうんだけれど。それにしても、この「チ。ー地球の運動についてー」を読んだ後にPeeping Lifeを見ると、ギャップでより一層和む。
地動説という仮説 Peeping Life-World History #29
ブルーロックは無料でせこせこ読んでいるにも関わらず、永田紅の絶版になっている歌集「日輪」は思い切って購入。
開架式書架をへだててひらひらと行き来する君 深刻ぶるな
これはきっと、大学で思いを寄せる人が図書館で文献などを探している姿を見て詠まれた相聞歌。「君」が付いただけで「深刻ぶるな」といった台詞が一気に恋の眼差しを含んだもののように感じられてくる。恋とかどうとかは一旦置いておいて、わたしも卒論を書いているときには参考文献を探しによく図書館に行ったもんだけれど、実際には特に用もないのに息抜きに何となく訪れていたことのほうが多かった気がする。探している文献なんてないのに、なにかを探しているような顔をして本棚を眺める。深刻ぶるな。本当は知りたいことも、言いたいことも、特にないのかもしれないねって、そう思ってしまうときもある。