牛車で往く

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なんといってもみつみちゃんの顔が趣深い(高松美咲「スキップとローファー 1巻」)

高松美咲さんの「スキップとローファー」を買いました。

 

スキップとローファー(1) (アフタヌーンKC)

スキップとローファー(1) (アフタヌーンKC)

 

  

石川県の田舎から東京の進学校に入学することになった主人公、岩倉美津未のスクールライフを描いた作品。この主人公のみつみちゃんが、謎の自信に溢れているのか、はたまた不安でいっぱいいっぱいなのか、そんなどっちなのかよく分からない状態を行ったり来たりしながら、都会の高校での生活を乗り越えていく様が愉快に描かれている。なんといってもね、みつみちゃんの顔がいい。面白い。作中で演劇部の部長にその顔を趣深いと評されていたが、まさにその通りでございます。一巻を読み終えたあとには、その趣深いみつみちゃんの表情に、気づけば夢中になっておりました。冒頭の東京に着いて両腕を掲げながら「ム!」と言っている顔がいい。趣深い。イケメン同級生の志摩くんとラインを交換して、じ〜んとしている表情もいい。高校初日が終わり「明日からは大丈夫でしょう」と考えながら布団に入っている表情もいい。なんなら、人生設計を妄想して死んだら骨を日本海に撒いてもらおうと考えているシーンの、海の向こうでさよならのサインをしながら微笑している表情なんて、目が描かれていないのに良い。なんか笑える。趣深い。いとをかし。

 

自分はこういうちょっと目つきが悪い感じのキャラが好きかもしれない。平方イコルスンの「スペシャル」の主人公、伊賀こもろも目つきが悪いけど、なんか笑える顔で好きだ。一巻の表紙の顔は最高。

 

スペシャル 1 (torch comics)

スペシャル 1 (torch comics)

 

 

でもこの漫画、みつみちゃんの顔だけじゃなくて話もちゃんと面白い。いや、そりゃそうなんだけども。高校生たちの集団における自分の立ち位置を、周りの人間と比較して気にしながら立ち回っていく様子が、丁寧に描かれている。あるよなあ、そういう感じ。今で言うスクールカーストを気にするってやつ。自分の場合は高校時代よりも大学時代の方が、そういう雰囲気が強かった気がするけど。イケてる集団に、イケてる集団に属したい子たち、普通の子たちに、静かな子たち。最初の、誰と一緒に授業を受けるかといった腹の探り合い感が凄かった。ここで中々上手くいかずに、結構長い期間迷走している子もいた。まあ、最初に編成されたグループなんてゴールデンウィークが終わったあたりで自然と再編成されて、なんやかんやでみんないい感じに落ち着くことになったけど。それでもやっぱり、「おれはもっとイケイケグループに所属するべき人間だ。」と野心に満ち溢れている子もいれば、「あいつらは授業もロクに受けない駄目なやつらだ。」とイケイケグループに謎の敵対心を剥き出している真面目グループなどもいた。わたしの場合は、気の合う子たちとすぐに仲良くなることが出来て、その子たちとは社会人になった今でも旅行に行ったりする関係を築けている。良かったです。

 

そして、この漫画に出てくるみつみちゃんのクラスメイトたちも、自分の立ち位置を気にして、互いに上手く仲良くなれなかったりして悩んでいる。しかし、みつみちゃん持ち前の田舎育ちの大らかさ、そして天然っぷりがそんな悩みを吹き飛ばしていく。みつみちゃん自身はなにも意識せずに発した些細な一言が、クラスメイトたちの心の壁を取り払い、普段は混じり合わないはずのクラスメイトたちを融和させていく。みつみちゃん、めっちゃ良い子や。友達になってほしい。そして、みつみちゃんの地元の幼なじみで親友の、ふみちゃんもめちゃくちゃ良い子。ちびまる子ちゃんで言うところのたまちゃん的存在。いくら天然で前向きなみつみちゃんでも、都会での生活には疲れてしまうこともある。そんなときにふみちゃんは、みつみちゃんの気持ちを察して元気付けてくれるのだ。なんていい関係。みつみちゃんが学校で起きたことをいちいちふみちゃんに電話するのもいい。みつみちゃん初めてのカラオケの話での、「グチ言う」「待っとりまーす」のやりとりなんて最高だ。なんだか芸人の少年少女を思い出した。あのコンビ、好きだったのに解散してしまった悲しい。結構前の話やけど。

 

なんにせよ、みつみちゃんの周りには自然といい人たちが集まっていて、読んでいてホッコリする。何人か怪しいやつもおるけど。今後もみつみちゃんの高校生活を追いかけていこうと思います。