牛車で往く

日記や漫画・音楽などについて書いていきます 電車に乗ってるときなどの暇つぶしにでも読んでください

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清見オレンジと芥川龍之介の「蜜柑」

冬は寒くていやだ、早く春になってほしいと散々このブログに書いておきながら、いざ冬が終わってしまうと思うとなんだか名残惜しい。なんて勝手なことをいっているんだと自分でも思うが、いやな思い出もいつかは笑い話になるがごとく、寒い冬の辛さはあまり…

思考する時間においてのみ人生は自分に近づいてくる(保坂和志「人生を感じる時間」)

小説家の保坂和志が人生について考えたこの本。 文庫 人生を感じる時間 (草思社文庫) 作者: 保坂和志 出版社/メーカー: 草思社 発売日: 2013/10/02 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 保坂さんの考えを書いた本には共感することが多い。そし…

科学的であることの重要性、そして科学的であるためには(森博嗣「科学的とはどういう意味か」)

森博嗣のこの本、読み返すたびに考え方がいい方向にリセットされる。 科学的とはどういう意味か (幻冬舎新書) 作者: 森博嗣 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2011/06/29 メディア: 新書 購入: 3人 クリック: 146回 この商品を含むブログ (76件) を見る タイ…

短歌によって呼び起こされる様々な思い出や感情(錦見映理子「めくるめく短歌たち」)

歌人の錦見映理子によるエッセイ「めくるめく短歌たち」。 めくるめく短歌たち 作者: 錦見映理子 出版社/メーカー: 書肆侃侃房 発売日: 2018/12/21 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 著者の思い出や考えたこと、感じたことなど…

中学時代の思い出は永遠に覚えている(ワクサカソウヘイ「中学生はコーヒー牛乳でテンション上がる」)

まだまだ大人じゃない、けれども少しずつ大人には近づいているという時期、中学生。そんな中学生たちの面白おかしい生態を、脚本家であり、コント作家でもあるワクサカソウヘイが書いたこの本。 中学生はコーヒー牛乳でテンション上がる 作者: ワクサカ ソウ…

ブックオフで古本を探す喜びと後ろめたさ、消費者としてのジレンマ

お金がない大学生のころはブックオフに大変お世話になった。古本を買うことでお金を節約しながら、楽しい読書生活を送ることができた。そして、社会人となった今、新品で本を買うのに必要なお金はもう十分に持っているのに、なんやかんやでブックオフに行っ…

神様、わたしのことをちゃんと見てくれていますか?(穂村弘「整形前夜」)

整形前夜 (講談社文庫) 作者: 穂村弘 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2012/07/13 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 6回 この商品を含むブログ (19件) を見る 歌人の穂村弘によるエッセイ。周囲の人を眺めてみると、自分はなんだかイケてないような気が…

保坂和志とか柴崎友香とか長嶋有を芋づる式に読んでいく

月曜から金曜までの会社に通わなければならない曜日には、今度の土日は絶対に有効活用しよう、一週間のうちの限られた休日なんだからと思う。けれども、いざ土曜日が来ると、まず昼前まで寝てしまう。寝ちゃうよね。そして、あっちゅう間に休日が終わる。セ…

抜け出せない、平和で退屈な地方都市での人生(山内マリコ「ここは退屈迎えに来て」)

www.hmv.co.jp HMVの無人島 ~俺の10枚~において、台風クラブのボーカルである石塚さんがオススメしていたこの本を読んだ。 ここは退屈迎えに来て (幻冬舎文庫) 作者: 山内マリコ 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2014/04/10 メディア: 文庫 この商品を含…

短歌に気づかされる確かにこの世に存在する時間(穂村弘 山田航「世界中が夕焼け」)

先週の土曜日、世界一受けたい授業に歌人の俵万智が出演していた。今、短歌ブームが来ているらしい。短歌いいよね。 でも、短歌って読んでも意味が分からないものが多い。そこで短歌を丁寧に解説してくれているこの本がいい。 世界中が夕焼け―穂村弘の短歌の…

おれもはらいそに行きたい(細野晴臣「アンビエント・ドライヴァー」)

細野晴臣さんのエッセイを買いました。 アンビエント・ドライヴァー (ちくま文庫) 作者: 細野晴臣 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2016/02/09 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (5件) を見る この本には、1995年から1996年までと、2002年から2006年…

いったい小説とは何なのだろうか(高橋源一郎「一億三千万人のための小説教室」)

小説の書き方。そんなもんがあるわけない。小説の書き方を学んで書かれた小説なんて、それは本当に小説なんだろうか。 一億三千万人のための小説教室 (岩波新書 新赤版 (786)) 作者: 高橋源一郎 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2002/06/20 メディア: 新…

先人の残したものを借りて、自分の頭で自分の人生について考える(竹田青嗣「哲学ってなんだ―自分と社会を知る」)

哲学について学びたいとは思うけれど、どこから入ればいいのかが分からない。そんなときに見つけたのがこの本。 哲学ってなんだ―自分と社会を知る (岩波ジュニア新書) 作者: 竹田青嗣 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2002/11/20 メディア: 新書 購入: 1…

社会で「生きのびる」ということ、個人が「生きる」ということ(穂村弘「はじめての短歌」)

時に楽しくない人生を生き永らえて何になるって思うけれど、やっぱり死ぬのは怖い。少しでも楽しい人生を送りたい。こういう気持ちを何度も繰り返し抱えながら生きている人は多いと思う。短歌には、生きるってことを本当に考えさせられる。 はじめての短歌 (…

大人になった今、もう一度子どもの気持ちを考えてみる(河合隼雄「子どもの宇宙」)

子どもって、いつまでが子どもなんだろう。大人って、いつからが大人なんだろう。明確に大人になったなあと思った瞬間はない。けれども、人間は緩やかに変化していて、気づかないうちに、子どもの頃の自分とは考え方が変わってきているのだろう。仮に、今の…

正しい読書とは -読書に対する姿勢-(ショウペンハウエル「読書について」)

読書をする。読み終わる。ああ面白かったなあと思う。だけどなんだろう、読み終わった後に何も自分に残っていない気がする。読んだことが身についていない気がする。読んでいる間は面白いけれど、読み終わった後に何も掴めていない気がする。一体、読書とは…

いつまでも青春時代の思い出話を繰り返すのだ(原田宗典「十七歳だった!」)

だれにでも青春時代はある。それが美しいものであったか、そうでなかったかは別として。そして、青春時代の大抵の出来事は、良いことであろうが悪いことであろうがなんとなく全部が良い思い出のように思えるのである。私もよく高校時代は楽しかったなあと思…

うんこ大好き水木しげる先生(水木しげる「妖怪になりたい」)

この前、龍谷ミュージアムでやっていた「水木しげる 魂の漫画展」を観に行ってから、水木先生のエッセイを読み直してます。 www.gissha.com 今読んでるのはこれ。 妖怪になりたい (河出文庫) 作者: 水木しげる 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2003/0…